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バランス理論

バランス理論(balance theory)
フリッツ・ハイダー(Fritz Heider A.D.1896 - 1988 Austria)が対人関係の原理の一つとして提唱した理論です。
認知的均衡理論、P-O-Xモデルなどとも呼ばれるそうです。
良好な人間関係を作りたい時に使える場合があるので紹介します。

 自分(認知者)を P
 相手(他の人)を O
 任意の物事(対象)を X
 肯定を +
 否定を -
と定義し、それぞれの調和関係、均衡状態と不均衡状態(バランス状態とインバランス状態)で見た場合、次のようなパターンになります。


ちょっと解りにくいかもしれません。
たとえば①で言えば
X=野球 とすると、相手も自分も野球が好きで自分も相手が好きな状態になります。
これは均衡状態と成ります。

逆に⑤で言えば
自分は相手のことと野球が好きなのですが、相手は野球が嫌いです。
これは不均衡状態と成ります。
経験的にも解りますが、均衡状態のパターンは関係が(良かれ悪かれ)安定しています。
逆に不均衡状態の時、先ほどの⑤例で言えば、相手が自分の大好きな野球を嫌いな場合、この関係は安定せず、均衡状態のどれかのパターンに遷移したがる傾向にある。
と言うのがバランス理論の骨子です。

これを実際の関係に活用しようとすると、相手と自分を入れ替えて考えるとやりやすいです。

つまり、相手と出合った当初は次のような関係になります。



当然相手の選好も解りませんし、お互いの印象も特に肯定も否定も無いものとします。
この状態から自分は相手との良好な関係を築くべく、相手の情報を収集し、対象(=野球とでもしましょう)を相手が肯定していることを知ります。
すると次のようになります。


相手の情報を得たあなたはこの情報を元に相手との良好な関係を築こうとします。対象Xを相手が肯定している場合の均衡状態を探すと①になりそうです。
そこであなた(自分)は、次のように相手に対して自分も対象(=野球)を肯定します。


すると相手は均衡状態の①に遷移しないと落ち着かないので自然とあなたのことも肯定するでしょう。
結果次のような関係を構築できます(かもね)。


と言う具合に、均衡状態がどういった状態なのかを念頭に相手の選好を参考にして自分の行動を行うことで相手の好意を獲得しやすくなったりします。

同じ趣味や共通の好みを持った人は自然と好きになりやすいというのは、多くの人が経験的に知っているでしょう。
その裏づけとしてこういった背景を知っておくと、より有効に活用できる。。。かもしれませんね。